東京科学大学 総合研究院
WOWアライアンス異種機能集積研究ユニット
(大場隆之研究室)
WOWアライアンスでは、物理的限界に達した平面微細化に代わり、ウエハ積層によって体積集積密度の向上を目指しています。世界で最も薄い(10μm)のウエハを積層し、ダマシン配線を形成しながら多層積層を可能にする技術を開発しています。この一連のバンプ電極を用いない積層技術はBBCubeTMと呼ばれ、半導体産業における実用化を試作ラインを通じて進めています。
300mmウエハを用いたWOW(Wafer-on-Wafer)およびCOW(Chip-on-Wafer)は、既存の前工程と互換性があり、シームレスな製造が可能なため、製造コストの大幅な削減が期待されます。さらに、チップレット向けのCOWもバンプレスでダマシン配線が可能であり、異種機能デバイスの高密度三次元化を実現できます。このようにWOWとCOWを統合したBBCube 3Dでは、従来に比べて最大1/1000の低消費電力化が可能です。
WOWアライアンスは、半導体技術の進展に柔軟に対応するため、40社以上の民間半導体企業と連携し、さまざまな研究開発プログラムを展開しています。市場ニーズがシステム化へと移行する中、アライアンスでは回路・電源・熱設計に加え、プロセス、装置、材料、分析、計測技術を支える半導体プラットフォームを提供しています。
ユニット・リーダー 大場 隆之 Professor Takayuki Ohba

大場 隆之 Profile
1984年 富士通株式会社
2004年 東京大学特任教授
2013年 東京工業大学特任教授
台灣國立陽明交通大學(NYTU)客員教授
工学博士(東北大学1995年)
Tokyo Tech WOW Alliance
3-micronmeter Ultra-Thinnig 300mm SDRAM






3DIプロセス技術
WOWアライアンスが持つ超薄化技術、垂直配線技術で半導体の三次元集積を行い、従来よりも高性能・低消費電力である次世代半導体を実現する。またサーバーなどの大規模演算デバイスだけでなく、半導体を搭載するあらゆるデバイスシステムが1/1000となる超小型化を加速させる。
3DI設計及びアーキテクチャ
3次元実装
低容量、低インダクタンス、低熱抵抗といったBBCubeの優れた電気特性、熱特性を活かした3DIアーキテクチャおよび設計技術を提案し、HPC/AI向けからセンサ一体エッジ向けまでの幅広いデバイスで、高性能化、低消費電力化、小型化を加速させる。
3DI冷却技術
超小型冷却デバイスを三次元積層半導体と組み合わせることで冷却機構を簡素化させ、IoT機器やモバイルデバイスの小型化に応用する。またミリワットからキロワットを冷却する熱設計を行っている。
ワイドバンドギャップ半導体
ワイドバンドギャップ半導体を用いたパワーデバイスにおいて、材料科学からシステムデバイス応用まで幅広い観点でグリーンイノベーションを促進し、実用化技術としての確立を推進する。特に、低コストエピ膜形成技術、先進的放熱技術に着目し、三次元集積技術との統合による発展を目指す。
